このページはHOME 製品情報スクリーンスクリーン生地についてスクリーン生地の選び方 です。
プロジェクタースクリーンはその種類を考える時に、光学的な特性、機構などの面から、その多様さに驚くことでしょう。
その特性を知ることにより、目的にあったスクリーンを選ぶことができます。
まず設置面から、幕面の後ろにプロジェクターを置くリアタイプ(透過型)と、幕面の前から光を当てるフロントタイプ(フロント投写型)に大きく分けられます。
映画館などを含め、多くの場合にフロント投写型のスクリーンが選ばれます。
フロントタイプのスクリーンは、プロジェクターから受けた光を、鑑賞する者のところに反射して映像を映し出します。
我々の身近にあるものでスクリーンを考えて見ます。表面に艶があるものや、鏡・光沢のある金属板等はスクリーンとして機能しません。映像が映らずにプロジェクターのレンズが眩しく見えるだけです。なぜでしょうか。
一方、画用紙、布、白っぽい壁、ホワイトボードなどは、無意識のうちにスクリーンの代用品として使用することがあります。私たちに白く見えるものは光を多く反射しており、スクリーンとしての特性を満たしていることになります。
道路標識の光学的特性がこのタイプのスクリーンです。光が投写された方向に反射光を戻します。自分の車のヘッドライトで、ドライバーが標識を見やすいのはそのためです。道路標識と同じように光を戻す性質(回帰性)を作ったスクリーンです。光が収束されるため、スクリーンゲインは1.5~3と明るくなります。
プロジェクターの近辺で映像を鑑賞することが、このスクリーンの性能を生かした使い方になります。しかしプロジェクター光軸から左右に20~30°の角度を越えてからは、拡散型よりも暗くなることに注意してください。
製造工程で、ミクロン単位の細かなビーズを使用することからこの名があります。このスクリーンのもう一つの利点として、迷光(有害光※2 最下段)も同様に、光の来た方向に帰すため、映像に対する視聴者への影響が少なくなることです。
曇った鏡をスクリーンに見立てれば、このタイプになります。鏡に光が反射するのと同様に投写された光の方向と逆側に反射するので反射型と言います。パール と言われるのは、幕面に印刷されるパール顔料の名前から取られました。プロジェクターと鑑賞者が入射角側と反射角側の関係にある場合には、このスクリーン の選択が有効となります。しかし平面性の維持の難しさや、プロジェクターの性能の向上により、近年はほとんど選ばれるシーンがなくなってきました。
サウンドスクリーンは、映画館で採用されているスクリーンです。スクリーンの背面にスピーカーを置き、幕面を透過して音が出る事を前提に開発される製品で、まさしく映像から音が出るという、音の定位感に優れた音響透過型スクリーンです。
反射型の範疇に入るスクリーンですが、スクリーンゲイン(※1 最下段)が3以上と大きなゲインを持ち、視野角が極端に狭いため、現在は主に3D用のスクリーンとして利用されます。3D映像の右目用、左目用の2台のプロジェクターの偏光状態を維持するのに適したスクリーンです。
以上、幾つかのタイプに分けて説明しましたが、スクリーンが利用される映写環境・条件によってタイプを選択決定しましょう。オーエスのスクリーン生地は、拡散型だけでも7種を用意し、スクリーンの大きさ・予算・映し出す映像などにより、より良いスクリーン生地が選べるように工夫を重ねています。
※1 スクリーンゲイン:特定の鑑賞方向に対する明るさ、反射特性です。標準白板と呼ばれる完全拡散板(酸化マグネシウムを焼き付けた純白板)に光を当てたときの輝度を1とした場合の、同一条件下でのスクリーン生地の輝度との比率を表しています。
※2 有害光(迷光):スクリーンに当たる映像以外の光。窓の外からの外光、照明の光、テレビの光など。有害光の中でも、スクリーンから跳ね返った映像の 光が家具やスピーカーなどに反射し、再びスクリーンに戻って来る光を迷光と言って別に表現する場合もあります。